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前回、二酸化炭素と燃焼熱についてまとめ、しかし、それだけではない、と言いました。それはどういうことなのでしょうか? これはずばり、燃料として以前に、物質にはそれぞれの特徴があるということから生じてくる問題です。 例えば、ここで紹介したもののうち、エタノールは透明の液体、ガソリンも混合物ではありますがおよそ透明な液体(オクタン自体は無色透明の液体です)、メタンは無色の気体、水素も気体です。 ガソリンが誰にでも入れられるのは、それが眼に見える液体だからですよね。もしガソリンじゃなくて水素だったら、 非常に軽い気体の水素は車から漏れ出して空に舞い上がっていってしまうでしょう。 それに、気体という事は、密度が低いという事でもあります。 同じ18リットルのポリタンクに、大気圧と同じ圧力で(まあ、自然な状態でと読み替えても構いません)、それぞれガソリンと水素を詰め込んだとすると、 ガソリンは仮に密度を0.7g/mlとすると(実際はこれより少し重いようです)18リットルで12.6kg、 気体の水素は1mlあたりの重さは0.00007gで、18リットルでわずか1.26グラム、その差は10000倍です。 さて、それがどう問題になるかというと、molに直したときの量の違いです。 12.6kg、12600gのガソリンを、単純に考えるため全てオクタンとすると、その量は約110mol。 対する水素は、0.6molです。 オクタン110molを燃やすと、燃焼熱の合計は 110×5501 = 600000kJ。 水素は…… 0.6 × 284 = 170kJ ……。 もうお分かりでしょう。いかに二酸化炭素が出ないとは言え、取り出せるエネルギーの量がこれだけ違ってしまっては本末転倒です。 何だ水素ダメじゃん! しかし、そう結論付けるのもまた、早計なのです。 普通に入れてダメなら圧縮、あるいは液体になるまで冷却、あるいは合金の中に水素を閉じ込めてたくさん運べるようにしよう! こういった研究が、今あちこちでなされています。 二酸化炭素を出さずに生産でき、そして上手く運べる手段が見つかり、……今後水素が人々に受け入れられるようになれば、水素は二酸化炭素を出さないエネルギー源としての地位をきっと手に入れられるでしょう。 水素自動車の到来が叫ばれますが、現実問題を見ても水素が解決しなければならない問題はまだたくさんあります。コストの問題、安全の問題、そして水素自動車が走れる社会上のシステムの構築。 それは他の燃料も同じです。バイオエタノールに気を取られすぎて高騰する穀物。原油高の問題。 水素は無色無臭、純粋なものは非常にクリーンですが、それゆえに漏れていても分からない、という大きな弱点もあります。 しかし、燃料の性質がこのように様々である以上、我々もその様々な特性を生かすことの出来るように使い道を模索してくべきでしょう。 |
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1章完結おめでとうございます。 |
Aspergillus 2008/08/26 23:35 |
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